"対象の見た目上の大きさ"と"距離"について纏めた。
(1) 人間の視野角(画角)
水平方向:200度
垂直方向:125度
見えるのは比較的広範囲だが、実際に意識的に認識している視野はもっと狭い。
色々説はありますが、標準レンズの25~50度程度の見え方が映画のようなスクリーンで
見た場合、違和感が少なく、通常見ているような感覚の画角らしい。
(2) モノの大きさは距離に反比例
異なる大きさの物体が複数あれば、それぞれの見た目上の大きさは、関数y=±a/xに従って振舞う。
aはそれぞれの物体の固有の大きさ。y:見た目上の大きさ。x:対象との距離。
同じ大きさの物体2個が近くにある場合、広角レンズを覗くことになるが、グラフからも"見た目上の大きさ"が距離の差に敏感なのがわかる。
逆に、遠くにある場合、望遠レンズで覗くことになるが、グラフからも"見た目上の大きさ"が距離の差に鈍感なのがわかる。また、密に重なって見え始める。
(3) レンズと視野角(画角)の対応
超広角(魚眼)レンズ:100度以上
広角レンズ:50度~100度
標準レンズ:25度~50度
弱望遠レンズ:15度~25度
中望遠レンズ:8度~15度
大望遠レンズ:0度~8度
一つの目安として、1度の画角の作り方について以下に述べる。
・1メートルの棒が1度に見えるのは、目から57メートル離れている時である。
・1キロメートルの棒が1度に見えるのは、目から57キロメートル離れている時である。
つまり、物体を1度の角度に収めるには、物体の大きさを凡そ60倍した距離まで離せばいい。
ちなみに、
・満月のお月様の幅をちょうど覆う画角は、約0.5度である。
・腕を前に伸ばして人差し指を立てる(眼~指の先端=約60cm)と、その指の先端の幅(約1cm)に対応する画角は約1度である。
よって、伸ばした手の指の先端と満月の月とでは、指が月をスッポリ覆う計算になる。
脳の錯覚の影響もあるが、月は思ったよりも視野角を僅かに満たすだけ・・・月は思っているより大きくない。月がきれいで写真をとったら思ったより小さい印象を受ける場合があるが、標準レンズの視野角を25度としたら、月は横に並べると50個入る計算になる。
黒い点を集中してみると、視野一杯に黒い点が覆うようになるが、意識の集中によってこういう感覚はいくらでもずれるらしい。
レンズは視野角を決めるが、視野角だけでは距離は不定である。焦点について考えないと、距離が対応しない。
絵を描く上で、視野角が8度(レンズ的には、中~大望遠レンズ)と設定しても大きく二つの見え方がある。
・広角レンズを用いた場合、視野角は50度以上と大きいが、必要な8度だけ切り取る時の見え方。
・望遠レンズを用いた場合、視野角は設定した角度と同程度なので切り取る必要がなく、そのまま未加工での見え方。
対象間の大きさ・重なりの圧縮、設定する消失点の位置が根本的に異なるようだ。もうちょい考え足りない。
したいことは、例えば170cmの男性と150cmの女性が150メートル離れて道路の脇に突っ立ている時に望遠レンズを用いた時の見え方と、10m離れている時に標準レンズを用いた時の見え方を書き分けろって時に、念頭に置くべきことが出揃っていない感がある。望遠レンズで近くのものはぼやけて見えない・・・がこの辺の見通しが悪い。保留。
参考文献:『三角形の魔術(たのしい幾何学Ⅰ)』(ペレルマン著、1962年、みすず書房)
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