腕と胴体の比率は相乗平均を用いて指定した。
よく知られている人体の黄金比として
(全身):(へそ~足)=Φ:1
で全身を決めました。
★相乗平均黄金人体均衡図(仰々しいなぁ(汗))
まとめると(Φ=1.618として計算)
全身=5Φ+2
頭長=2×1/Φ
頭身=1/2(7Φ+5)=約8.163
腕を広げた時の幅=2(Φ+√Φ+2)
(両腕を広げた時の幅)/(全身)×100=約96.93(%)
★ミロのヴィーナスが8頭身
あの像って、直立しているわけでわないから測定しづらい。
でも、8頭身が理想的で美しいという神話のためか・・・8頭身と様々な本に記載してある。でも大体が、引用か噂に頼っているのであって実際に検証しましたという本は見たことない。逆に言えば、それだけ言い切っても問題ないくらいに認められている数値なんでしょう。
黄金比Φから8頭身という整数値を出すには8Φ/Φという比になるように設定する必要があるが、古代ギリシアの職人は像を作るとき、人体を黄金比Φで置換した定規を用いていたのだろうか。もし、あるとしたらその古文書や技術が現代までに伝統されていないのは残念。現代の人で、8頭身がなぜ美しいとされるか説明できる人間はいるのでしょうか?みんな誰かが言っていたからとかいいそう。
日本人は7頭身だし、実際に8頭身であることが理想とか美の絶対条件ではないのは明らか(こう断言できる理由もないのだが・・・)。昔の人が個人レベルの感覚に頼って8頭身が理想という結論を導いたとは思わないし、それが現代まで通用するとは考えられない。当時は根拠があったんだろう。
すっごい遠まわしですが、つまるところ、伝えられるべきものが伝えられていないことにイラってしました。
★恥骨が体の中央として、計算した結果は
全身=2(Φ+√Φ+1+1/Φ)
頭長=2×1/Φ
頭身=Φ(Φ+√Φ+1+1/Φ)=約7.294
同様に、
(両腕を広げた時の幅)/(全身)×100=約108.47(%)
★黄金比と調和平均の関係
1とΦの調和平均である2×1/Φは頭長や胸郭下部の円比になっている。
調和平均はx^2=x+1の解であるΦと似た処理をしているようだ。
相加平均黄金人体比と相乗平均黄金人体比という二つの場合、のいずれにも黄金比で表そうすることが、そもそも調和平均を使っていることになるらしい。
(追記)090625
身長を決める方法で、
(1)頭~へそ:へそ~足=Φ^-1:1 (身長がΦ)
(2)恥骨を体の半分とする
の2通りの方法がある。
今回用いた相乗平均による図では、両者とも異なる全長を示し、異なる頭身となった。この異なる値を何とか一致させるように考えたところ、
相加平均による図において、恥骨でなく坐骨の下端(要するに骨盤の円の最下端)を全長の中心とすれば、5Φ+2となり、二つの方法のいずれでも同様の値が得られた。
ここで、こじつける。
★一歳の子供:4頭身程度であり、へそが体の中央
★成人:7.354等身であり、恥骨が体の中央
★黄金人体:8.163頭身であり、骨盤最下端が体の中央
つまり、へそ~骨盤最下端の体の中央の変遷の内、恥骨は成長の途中過程に過ぎない。黄金比が見出せる比率になるには、体の成長と連動して体の中央がへそ→骨盤最下端まで下降すると考える。
平たく言えば脚が長くなる。
★相乗平均Φ近似と相加平均Φ近似と整数近似の関係
相乗平均と相加平均の特性を両立させる中間的な立場が整数近似(7.5:6:4:5均衡)の意味するところなのかもしれない。
・相乗平均の特性
腕の5:4:3は三平方の定理が成立。
・相加平均の特性
胴体の6:4:5は二通りの全長算出手法のいずれでも値が一致した。
実用的には整数近似が有用である。
ちなみに、整数近似では、相加平均や相乗平均のように正確なΦは得られず、Φの近似でしか表せない結果となる。例えば、
・身長:へそ~かかと=5:3(フィボナッチ数列の第4近似)
であり、Φにはならない。
Φであれば、約8.16頭身であるが、整数近似の場合には7.5頭身となる。
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