腕の比率を統計的に調べた。
男女411人(20-30才の成人のみの集団)をヒストグラムで表示すると、400人オーダーであっても粗さはあるね。3000人位いれば、細かなギザギザが消えて、綺麗なピークになるでしょう。分散も小さくなるだろう。
色々な要因はあるだろうが、統計誤差を反映してピーク形状には、明確な平均値μと標準偏差σが存在し、左右対称の正規分布を適用できそうだ。手の長さなどの絶対値を使用すれば当然、男女差が見られ、フタコブの分布となる。しかし、手の長さの絶対値で規格化すれば、その比率は男女間で有意差は見られないと判断した。だから、男女を合計している。というか、男女合計して人数稼がないと、もっとピークが劣化してしまう。
問題は、上腕/手の実験値の標準偏差σが大きいことだ。
この要因は、上腕骨頭の位置などを決める人間が、目算で決めているからだと思われる。つまり、手や前腕と比べると、上腕の上端側の、腕と肩の境界が明確に位置づけることが困難だということだ。
要点は、手/手:前腕/手:上腕/手=1:相加平均:φといえる(的中したな。相乗平均はここでは当てはまんなかったが。)。
今回のデータを利用した場合に限りという前提はありますが。上腕/手の実験値と黄金比φの値に開きがあると思われるかもしれないが、これは母集団が数千人級になれば、平均値μが黄金比φに限りなく接近するという予測に依拠した判断。実際、この誤差がどの程度が例を挙げて示す。
僕の手は20cmであり、
手/手:前腕/手:上腕/手=1:相加平均:φに基づけば、
前腕=26.18cm
上腕=32.36cmと推定される。
上腕/手の実験値1.6419として再度計算すると
上腕=32.83cm
となる。
上腕/手の実験値を黄金比に変更したところで、その差は、
わずが4.7mmである。目算で測定点を決めて、さらに肉という押したら凹む流体を測定しているんだから誤差でますよ。そういった誤差と個人差が全部、標準偏差σとして反映されている。
肩~手までの長さは3/2φ^2となり、両腕を合計すると3φ^2となる。
これからは、さらに全身に黄金比を適用していく。
黄金比を使用する意義なんてそもそもないだろう。強いて言えば、昔から美しいものには黄金比が隠れていると語られている程度である(実はあったのだろうが、しだいに忘れ去られたか)。信憑性は微妙なものだ。ただ、黄金比を無理やり関連させることはできそうだと言ったスタンスと期待で行ってはいる。
黄金比を整数比に近似したとしても、その数値を絵を描く上で利用するのは難しいだろう。着眼点は、統計データに基づいて、人体の比率を定量化し、感覚的・視覚的に描く上での指標が妥当かどうかを検査し、普遍性あり、かつ感覚的に利用しやすい指標を見出すことである。黄金比が持つ性質ゆえに成立している描き方、指標があるのだ(もしくは、あなたの指標や描き方が成立するためには、黄金比は必然的に要求され得るのだ)。これは、まだ予見の段階。
数値入力で3D人体モデルを作成するとかしない限り、数値データが直接的に活かされることはないのではないかと思う。
何にせよ、今回の腕の比率は、一般的に価値ある結論となる。
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